コンセプト

弊社では複数の新規開業において、地域住民への内覧会を実施し、地域住民を対象にアンケート調査を行っています。その結果、インテリに対する期待度は明らかに増加傾向にあります。治療を受けることと、診察を待つだけの機能空間であったクリニックに、それ以外の期待を持たなかった患者が、“今までとは違う何か”を期待している時代を迎えています。

医療空間に求められる"今までとは違う何か"は、非日常的な空間に存在する日常的感覚であることが予測されます。
医院という非日常空間に身を置く患者には、非日常的な緊張感が存在します。その緊張感を緩和し、日常的感覚を「癒し＝温もり」として提供することが重要であると考えます。

一般商業デザインとの大きな違い

　一般的な商業デザインは3年がサイクルと言われています。飲食店や物販店などは、時代に合わせたデザインを提供しなくてはなりませんが、3年を経過すると新しい時代のデザインが求められ、時代にあわせたリニューアルをしなくてはなりません。

　しかし、『クリニック』のデザインは、永年的に「温もり」「清潔感」「安定感」を患者に提供するものです。20年経っても飽きないデザインを実現することが重要だと考えます。弊社のデザインやプレゼンテーションの表現は、決してモダンでもなく、作品として見栄えの良いものでもありません。しかし、医療空間のデザインにおいては『科学』を優先し、患者目線の『感性』を調和させることが最も重要だと考えます。