対談「日本人の健康を考える」

点滴療法研究会会長 柳澤厚生先生の考える「健康」 とは

柳澤厚生

柳澤厚生

今井
早速ですが、柳澤先生ご自身が心掛けている“健康”についてお聞かせください。
柳澤
一言で言うと“バランス”をとるということだと思います。
今井
“バランス”のとり方を具体的に教えてください。
柳澤
まず、内科的健康、外科的健康、精神科的健康、この3つの“バランス”がとれていることが重要です。
今井
個人的には精神科的な健康のことからお聞きしたいですね。
柳澤
そこからきましたね。実は精神科的な健康を維持することはとっても重要なことなんですよ。
私の場合は、月に2回は生まれ故郷の軽井沢に帰って、自分をリラックスした状態にするようにしています。
夜明け前の静かな森、神秘的な霧、湖畔に写る空、雲、鳥たちのさえずり、霧が晴れてきて太陽が昇る、そして静かに長い深呼吸をする。生まれ故郷の新鮮な冷たい空気を肺に摂り入れる・・・スピリチュアルな状態で人生の意義を考える。10年後の私はどうあるべきなのか、どうしたいのか・・・。
前向きに反省し、前向きに人生プランをたててみる。精神的に健康であるためには、こういう環境を自らが創り出すことが重要だと思うんです。
今井
素晴らしい!全く同感です。日常生活とは異なる“人生を考える”環境を創ること、その空間で人生を見つめ直すこと、これも日常の仕事量との“バランス”ですね。
さて、“体を動かす”という意味合いでの健康対策は何かしていますか?

今井 義博

今井 義博

柳澤
週に2回はスポーツジムに通っています。これでもベンチプレス50キロをこなすんですよ。
ベンチプレスが重要だという意味ではなくて、骨と筋肉と内臓の関係、つまり身体全体の“バランス”を維持するために筋肉の強化≒維持も必要だということなんです。
今井
なるほど“バランス”のとれた取り組みが必要だということですね。
柳澤
取り組みには費用もかかりますが、日本の健康保険制度では健康は買えませんから。病気になってからの取り組みと、病気にならないための取り組みは、根本的に違いますからね。
今井
病気にならないための取り組みの一つが、柳澤先生の行っている『高濃度ビタミンC点滴療法』なんですね。『高濃度ビタミンC点滴療法』のポイントは何でしょうか。
柳澤
この療法は、免疫力を高めるためのものです。まさに病気にならないための取り組みの一つです。高濃度のビタミンCは大量の過酸化水素を発生させ、この過酸化水素が体内にある病気の細胞を攻撃すると考えられているんです。免疫力を高めると同時に体内にがん細胞がある場合は、それを攻撃するということです。「予防」というより「超早期治療」と言っても良いかもしれません。
アメリカでは2005年に『米国科学アカデミー紀要』に論文が発表され、新しいがん治療の補助療法のひとつとして認知されつつあります。

柳澤 厚生

今井
ご自身でも『高濃度ビタミンC点滴療法』をなさっているのですか。
柳澤
もちろんです。月に2回ビタミンC25グラムの点滴をしています。点滴で25グラムを入れると、正常値1ミリグラムの血中濃度が150~160ミリグラムになります。しかし、ビタミンCは水溶性のため、すぐに体外へ出て行ってしまいますが、出て行くときに体中の細胞がビタミンCを取り込むのです。
私は、点滴でだけではなく常にビタミンCを摂取していますから、肌を押したらビタミンCが染み出てくるのではないかと思うくらいです。(笑)

柳澤 厚生

点滴療法研究会会長
柳澤 厚生
点滴療法研究会会長。国際統合医療教育センター所長。社団法人国際統合医学会 2009年度会頭。日本コーチ協会理事。アメリカ心臓病学界評議員。日本における高濃度ビタミンC点滴療法のパイオニアである。スピックサロン・メディカルクリニックと自由が丘クリニックで診療にあたる。

著 書

  • ビタミンCががん細胞を殺す(角川SSC)
  • 父親できてますか?父親こそ子供の人生の名コーチ(学芸社)
  • 超高濃度ビタミンC点滴療法ハンドブック(角川SSC)
  • 他多数

著者プロフィール 医科歯科開業、物件に関するご相談はこちら TEL 03-3833-3950 eMail info@keystation.com

今井 義博の写真

今井 義博

経 歴

  • 1961年、東京生まれ
  • 暁星学園小中学校卒業(暁星歯学会・事務局長)
  • 早稲田実業学校高等部卒業(早稲田実業学校校友会・代議員、サッカー部OB会・副会長)
  • 早稲田大学専門学校建築設計課卒業・現早稲田大学芸術学校(稲門建築会会員)
  • (株)銀座コージーコーナー(店舗開発設計室)
  • (株)清水建設(OAセンターCAD開発)
  • (株)デンタルリサーチ社(職業紹介事業・東京都第1号)
  • Tokyo Expert Network of Japan(J-TEN)代表
  • 詳細プロフィールはこちら >>

著 書

  • 医療人事戦略(クインテッセンス出版)
  • リニューアル&ニューオープン(クインテッセンス出版)
  • 歯科医院経営近未来学(クインテッセンス出版)
  • 挑戦する医院経営(じほう社)
  • 医院経営と空間デザイン(Health Sciences Vol.24No1 2008日本健康科学学会誌掲載)